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消化器領域 胃(胃がん)消化管外科(1)准教授 永井英司

消化器領域:胃がんの内視鏡手術について、
消化管外科(1) 永井英司准教授が回答します。

Q. 胃がんの内視鏡手術はいつ頃から始まりましたか?どのくらいの症例数がありますか?
当科では、世界で内視鏡手術(腹腔鏡下手術)が黎明期であった1996年1月に初めてこの手術を行い、これまで約1000名の患者さんに行っています。

表 これまでに行った手術と症例数 2014年1月現在
Q. 手術の適応についてお聞かせください。
胃がんの手術は周囲リンパ節を含めて胃を切除するのが標準的です。開始当初は早期胃がんの患者さんに限って行っていましたが、最近では、より広範囲な切除が必要な進行胃がんの患者さんにも行っています。2010年からはおおむねすべての胃がんの患者さんが腹腔鏡下手術の対象です。
進行度や既往歴によっては開腹手術が必要なこともあります。

24インチ液晶モニターに映されるハイビィジョン映像を見ながら3人で手術を行う

トロッカーと呼ばれる鞘を通して、カメラ、鉗子類を腹腔内に挿入し手術を行う。
Q. 一般的な術後の経過は、いかがでしょうか。

手術翌日から歩行、水分摂取を開始します。幽門側胃切除(胃をおよそ3分の2切除)の患者さんは2日目から食事を、胃全摘術の患者さんは3日目から開始してもらいます。少しずつ硬いご飯を食べるようにしてもらい、幽門側胃切除術の患者さん、胃全摘術後の患者さんともに7日目以降に退院となります。もちろん、肺や心臓に持病のある患者さんや合併症のある患者さんはそれに合わせて入院期間が長くなることもあります。

退院後は散歩から始めて自身の体力を考えながら、ゴルフなどの運動を行ってもらえます。一般的に退院後1−2週間で職場への復帰が可能ですが、仕事の内容や患者さんの復帰への緊急度によって復帰までの期間は異なってきます。術後なるべく早く術前と同様の生活に戻ってもらうことが、その後の生活の質(QOL)にはとても大切なことです。

Q. 手術創はどのようになりますか?

へそに最大約3cm程度の創(ここから切除した胃と周囲リンパ節をひとかたまりに取り出します)と、12mmの創が2か所、5mmの創が3か所できます。最近では3mmの創から使える器具も使うことがありますので、もっと小さな創で済むこともあります。3‐5mmの創は数か月でほとんどわからなくなります。
腹腔鏡下幽門側胃切除術後1、2か月の腹部の状態
Q. 手術創以外の、内視鏡手術のおもなメリットは何でしょうか。
開腹手術と比較して手術中の出血量が少なく済みますし、術後の痛みも軽度です。腸の蠕動運動の回復が早く、食事を早期に開始できますし、そのため術後の在院日数も短くなり、社会復帰が早くなります。癒着もほとんどないために腸の蠕動運動に影響が少なく、体重の減少が少ないことも知られています。
Q. 現在の取り組みについてお聞かせください。
上記に比べてもっと創が少なく、小さくなるような方法も可能になりつつあります。また手術だけではなく術後のQOL向上のための生活・栄養指導にも取り組んでいます。より高度な手術が可能となるロボットを用いた手術にも取り組んでいます。また内科の先生と協力した内視鏡腹腔鏡協同手術(LECS)も行っています。

内視鏡手術の適応に関するご相談・ご紹介は随時、受け付けています。
消化管外科(1)外来までお気軽にお問合せ下さい(TEL:092-642-5453 初診日・再診日:火・木)。
九州大学大学院医学研究院臨床・腫瘍外科 http://www.med.kyushu-u.ac.jp/surgery1/

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