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消化器領域 脾臓(脾機能亢進症)肝臓・脾臓・門脈・肝臓移植外科 診療准教授 吉住  朋晴

消化器領域:脾機能亢進症の内視鏡手術について、
肝臓・脾臓・門脈・肝臓移植外科 吉住朋晴診療准教授が回答します。

Q. 脾臓に対する内視鏡手術は、いつ頃から始まりましたか?どのくらいの症例数がありますか?
当科では1992年に世界に先駆けて、特発性血小板減少性紫斑病などの血液疾患を対象に開始しました。1994年からは肝硬変症に伴う脾機能亢進症に対しても適応を拡大し、現在では症例の大半を占めています。脾機能亢進症に対する腹腔鏡下脾臓摘出術は2015年3月までに400例以上施行しています。これは、全国でも最多の手術数です。
Q. 手術の適応についてお聞かせください。
対象疾患は、肝硬変症に伴う脾機能亢進症のために、血小板減少や難治性食道胃静脈瘤を発症している患者さん、白血球・血小板減少のために慢性C型肝炎に対するインターフェロン導入・継続ができない患者さん、悪性リンパ腫などの腫瘍性疾患、特発性血小板減少性紫斑病、遺伝性球状赤血球症、自己免疫性溶血性貧血などの血液疾患がおもな適応疾患です。
Q. 一般的な術後の経過は、いかがでしょうか。

手術終了時には出血、膵液ろうなどの確認のため、左側腹部にドレーン(管)を1本挿入します。これは、手術翌日の経過が良ければ、病棟で抜去します。ドレーンが抜ければ、食事も可能です。
手術後は、定期的に血液検査と腹部エコーを行い、おもな合併症である門脈血栓、腹腔内膿瘍ができていない事を確認します。開腹手術に比べ痛みが著明に少ないため、手術翌日から歩行可能です。手術後7日目に腹部CTを行い、合併症のない事が確認できれば、退院可能です。一般的には手術後1か月で仕事にも復帰可能です。

Q. 手術創はどのようになりますか?

開腹手術で脾臓摘出術を行う場合、みぞおちから左の側腹部まで約30cmの切開が必要です。この場合、腹部の筋肉も大きく切開するため、術後の回復にも時間がかかります。
腹腔鏡を用いると、5mmの創が1個+12mmの創が3個で手術が可能です。これは術後時間が経つと、ほとんど目立たなくなります。

[手術創比較]


  • 内視鏡手術例
    5 mm 1か所
    12 mm 3か所 

  • 開腹手術例(約300mm)
    上腹部正中+肋弓下切開
Q. おもなメリットは何でしょうか。

腹腔鏡下脾臓摘出術は、現在とくに肝硬変症に伴う脾機能亢進症に対して広く行われるようになってきました。脾臓摘出により、白血球や血小板減少の改善、静脈瘤の治療、肝機能改善、C型肝炎に対するインターフェロン治療が可能になるなど、多くのメリットがあります。手術手技、手術器具は年々改善され、少ない出血量で手術が可能となり、安全性が向上してきています。
開腹手術に比べ、腹腔鏡による手術は視野展開が良く、術後の痛みが少ない、筋肉の損傷が少ないなどのメリットが知られています。

Q. 現在の取り組みついてお聞かせください。
C型肝炎は治療によるウイルスの消失率が上昇しています。白血球や血小板の減少でこの治療が受けられない患者さんに対して、腹腔鏡下脾臓摘出術はたいへん有効な方法です。今後は、患者さんが安心して手術を受ける事ができるように、さらに安全で確実な手術を目指していきたいと考えています。

内視鏡手術の適応に関するご相談・ご紹介は随時、受け付けています。
肝臓・脾臓・門脈・肝臓移植外科外来までお気軽にお問い合わせください
(TEL:092-642-5479 初診日・再診日:月・水・金)。
九州大学大学院医学研究院消化器・総合外科 http://www.kyudai2geka.com/

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