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泌尿器領域 前立腺(前立腺がん)泌尿器・前立腺・腎臓・副腎外科 講師 猪口 淳一

泌尿器科領域における内視鏡手術において、今回は、腹腔鏡手術に関して
泌尿器・前立腺・腎臓・副腎外科 猪口淳一講師が回答します。

Q. 泌尿器科領域での内視鏡手術は、いつ頃から始まりましたか?どのくらいの症例数がありますか?
泌尿器科領域における内視鏡手術は、おもに経尿道的または経皮的な尿路に対する内視鏡手術と、いわゆる腹腔鏡手術に大別されます。今回ご説明する腹腔鏡手術は、1993年頃から本格的に取り組んできました。最近2年間のおもな腹腔鏡手術の内訳を表1に示します。

表1 腹腔鏡およびロボット支援腹腔鏡手術実績(2012-2013年)
Q. 手術の適応についてお聞かせください。
泌尿器科領域における腹腔鏡手術の適応となる代表的疾患としては、副腎腫瘍、腎がん、腎う尿管がん、前立腺がんなどです。それぞれの疾患や手術の術式にもよりますが、進行がん以外はほとんどが適応となります。近年増加傾向にある前立腺がんについては、75歳以下の限局性がんを基本的な対象としています。各症例の術式、適応に関しては、当科でのカンファレンスで検討して決定しています。
Q. 一般的な術後の経過は、いかがでしょうか。

副腎、腎の手術の場合、多くの患者さんが翌日には食事や歩行を開始し、手術後5-9日くらいで退院しています。術後の回復が早いため、退院後早い時期から日常生活や仕事への復帰が可能です。

前立腺がんの手術の場合も、多くの患者さんが翌日には食事や歩行を開始しています。前立腺がんの手術の場合、前立腺を摘出して膀胱と尿道をつなぎ合わせるため、手術後にカテーテルという管を尿道から膀胱に入れておきます。手術後5-7日目頃にこの管を抜き、数日尿の出具合を確認してから退院していただいています。

Q. 手術創はどのようになりますか?
副腎、腎の腹腔鏡手術の場合、切除した臓器を摘出するための最小限の皮膚切開創と2-3か所の小さな創(0.5‐1cm)ができます(図1)。前立腺の場合は、摘出創(約3cm)を含めて5-6か所の小さな創(0.5‐1cm)ができます。最近では、切除から摘出までを3-4cm程度の一つの創で行う単孔式腹腔鏡手術も行っています(図2)。
図1 腎がんに対する腎摘除術における手術創
腹腔鏡手術()と開腹手術()
図2 単孔式腹腔鏡下副腎摘除の手術創
Q. おもなメリットは何でしょうか。

腹腔鏡手術では、出血量が少なく手術創が小さいため、術後の痛みが軽く、回復が早くなります。がんに対する手術の場合、その予後は従来の開腹術と同等です。

現在、積極的に行っているダビンチを用いたロボット支援前立腺全摘除術では、3次元画像を見ながらより精緻な手術が可能で、出血もきわめて少なく、治療成績も良好です。

Q. 新たな現在の取り組みについてお聞かせください。

当科では、以前から患者さんにより負担の少ない内視鏡手術を積極的に導入してきました。ダビンチを用いたロボット支援前立腺全摘除術は、3次元画像の良好な視野のもとで精緻な手術操作が可能で、従来の腹腔鏡手術に比べても大きなメリットがあります(図3)。

さらに現在当科では腎がんに対するロボット支援腎部分切除術を行っています。がんの根治性はもちろんですが、出血量の減少、より良好な腎機能温存効果などによって、腎部分切除術の適応拡大が期待されています。

また、膀胱の手術などにも応用するために準備中です。
前述のように2012年6月からは、腹腔鏡手術の利点をもち、かつ美容性により一層優れた単一創からの手術(単孔式腹腔鏡手術)も積極的に導入しています。


図3 ロボット支援手術

内視鏡手術の適応に関するご相談・ご紹介は随時、受け付けています。
泌尿器・前立腺・腎臓・副腎外科外来までお気軽にお問い合わせください
(TEL:092-642-5615 診察日:月ー金 初診日:火・木)。
九州大学大学院医学研究院泌尿器科学分野 http://www.med.kyushu-u.ac.jp/uro/

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