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乳腺領域 乳腺(原発性乳がん、良性腫瘍)乳腺外科(1)助教 久保 真

乳腺領域の内視鏡手術について、
乳腺外科(1) 久保 真助教が回答します。

Q. 乳腺領域で内視鏡手術は、いつ頃から始まりましたか?どのくらいの症例数がありますか?

乳腺内視鏡手術の歴史は1995年ごろから本邦独自に始まり、当科では2007年より導入しています。現在、年間20例前後を内視鏡手術で行っており、これまでに100人以上の患者さんに行いました。

当科で2002年から2010年(平成14年〜平成22年)の間に施行した原発乳がん全症例の術式の内訳を図1に示します。全乳がん手術のうち、約4分の1をこの術式で行っています。


図1 原発乳がん術式内訳(平成14−22年)
Q. 手術の適応についてお聞かせください。
悪性腫瘍に対しては、「根治性」と「整容性」を両立させるため、大きさが2cm 以下、かつ周囲の皮膚や筋肉に病巣が及んでいない病変に、内視鏡手術を行っています。
また、明らかな増大傾向を示す良性腫瘍(線維腺腫、葉状腫瘍、乳腺症)や腫瘍による乳房変形などで整容的に問題があり、かつ患者さんの強い希望がある場合や、細胞検査などでの診断が困難で、腫瘤摘出による詳細な検査が必要な場合などにも内視鏡手術を行うことがあります。
Q. 一般的な術後の経過は、いかがでしょうか。
悪性腫瘍に対する手術の場合、術中に留置した浸出液を体外に出す管(ドレーン)を3−5日で抜き、創部に問題なければその日に退院が可能です。
順調な方で術後3日、遅くとも1週間後には退院できますが、内視鏡手術の入院期間は通常の手術法よりも短い傾向にあります。また、良性腫瘍では日帰り手術(デイサージェリー)も可能です。
Q. 手術創はどのようになりますか?

内視鏡手術では通常、乳輪周囲とわきの下の2か所の小さな小切開創から手術を行います。

まずわきの下の2−3cmの創からおもにセンチネルリンパ節生検*と乳腺の裏側の剥離を、次に3cm前後の乳輪周囲の創からおもに皮膚と乳腺の間の剥離と、乳腺の切離を行います。この過程で乳腺専用の内視鏡と特殊な器具を用います。写真1、図2に内視鏡操作の写真、術後創部を示します。

*乳がん細胞がリンパ管を通って、最初に到達するだろうと予想されるリンパ節。手術中に組織検査を行い、がん細胞が認められなければ、それ以上のリンパ節摘出が省略される。

写真1 内視鏡手術操作のようす(乳腺専用内視鏡:左)
図2 傷が目立たないよう、乳輪の縁に沿って切開しています
Q. おもなメリットは何でしょうか。

内視鏡による手術の最大のメリットは整容性です。乳房は女性を象徴する臓器の一つであり、特有のデリケートな問題があります。

一人でも多くの女性に、「早期発見すれば小さな傷、少ない変形で手術ができる可能性がある」ことを知っていただき、早期発見・早期診断、また乳がん検診率の向上につながることを期待しています。

Q. 現在の取り組みについてお聞かせください。
現在、当科ではこの術式の適応を2cm 以下の腫瘤に限定していますが、患者さんの強い希望があり、「根治性」が十分保たれると判断できれば、それよりも大きな病変に対しても適応を広げていく予定です。
今後は5年、10年と症例を重ねていき、長期的な評価を行っていきます

内視鏡手術の適応に関するご相談・ご紹介は随時、受け付けています。
乳腺外科(1)外来までお気軽にお問い合わせください(TEL:092-642-5453 初診日・再診日:火・木)。
九州大学大学院医学研究院臨床・腫瘍外科 http://www.surg1.med.kyushu-u.ac.jp/

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