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整形外科領域 肩関節、肘関節(肩腱板断裂、変形性肘関節症)整形外科 助教 岡田 貴充

整形外科:上肢(手、肘、肩関節)領域の内視鏡手術について、
整形外科 岡田貴充助教が回答します。

Q. 上肢の内視鏡手術はいつ頃から始まりましたか?どのくらいの症例数がありますか?
2004年頃から本格的に上肢への内視鏡手術(関節鏡)に取り組み、これまでに150名以上の患者さんに行っています(表)

表 上肢の内視鏡手術内訳(2012−2014年)[2014年12月現在]
Q. 手術の適応についてお聞かせください。
上肢で適応となる疾患はさまざまなものがあります。代表的疾患として、肩関節では腱板(肩の内側の筋肉)断裂に対する関節鏡視下腱板修復術や反復性肩関節脱臼に対する鏡視下バンカート修復術(制動術)などがあります。手関節では手首尺側(小指側)の疼痛のために日常生活が困難となる三角線維軟骨複合体損傷、肘関節ではスポーツ選手などに多い変形性肘関節症関節に対し、早期のスポーツ・社会復帰を目標にした関節鏡視下形成術を行っています。
Q. 一般的な術後の経過は、いかがでしょうか。

変形性肘関節症に対する肘関節鏡視下形成術を例に説明します。これは、肘関節の中に生じた骨の棘(とげ)や関節ネズミと言われる遊離体によって肘に激痛や動きの制限が生じ、スポーツや仕事ができなくなってしまう疾患です。これを、通常の切開を用いて行う手術の場合、病変のある関節内に達するために周囲の筋・靱帯などを切るので、それら組織が修復するまでに術後2、3週間のギプス固定が必要となります。さらに、ギプスを除去した後にリハビリを行うので、スポーツ・仕事への復帰までに2、3か月を要します。

しかし、 関節鏡を用いた手術の場合 、周囲の筋・靱帯を損傷することなく病変部位に到達し、処置を行うことができるため、術後のギプス固定が不要で、早い人では翌日からリハビリを開始します。ギプス固定を行わないため、関節が硬くならず、リハビリ期間の短縮にもつながります。さらに、軽作業であれば術後2、3週で仕事に復帰することが可能です。

Q. 手術創はどのようになりますか?
肩腱板断裂を例に示します。下の写真左は関節鏡による手術例で、7mmの創4か所からスコープを刺入し腱板を修復した例です。下の写真右は通常の手術例で、約10cmの皮膚切開をして、皮下の三角筋(肩の外側の筋肉)も一部切離して腱板修復術を施行した例です。

関節鏡手術例           通常手術例
Q. おもなメリットは何でしょうか。
傷が小さい・術後の痛みが少ないという一般的な内視鏡手術のメリットだけでなく、関節鏡を用いることにより、周囲組織を損傷することなく関節内に到達し、処置を行うことができます。さらに拡大して病変が観察できるので、「低侵襲」かつ、より「精密・正確」な治療が可能となっています。
Q. 現在の取り組みについてお聞かせください。

当科では福岡ソフトバンクホークスのメディカルサポートを行っている関係で、スポーツによる手・肘・肩関節に障害をかかえる患者さんを多く診察しています。スポーツ選手にこそ内視鏡を用いた手術は有効と考えます。とくに肘関節鏡視下手術はその手技の難しさから行っている施設は少なく、当科では患者さんへのメリットを最大限に活かすために積極的にこの手術を行っています。

また、肩関節鏡視下手術では、腱板断裂のため「痛み」や「腕が上がらない」などの症状でお困りの方に積極的に手術を行い、多くの患者さんに喜んでいただいています。

内視鏡手術の適応に関するご相談・ご紹介は随時、受け付けています。
整形外科外来までお気軽にお問い合わせください(TEL:092-642-5504 初診日:月・水・金)。
九州大学大学院医学研究院整形外科学 http://www.med.kyushu-u.ac.jp/ortho/

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