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消化器領域 大腸(結腸がん、直腸がん)消化管外科(2)準教授 沖 英次

消化器領域:結腸がん・直腸がんの内視鏡手術について、
消化管外科(2) 沖 英次准教授が回答します。

Q. 大腸癌の内視鏡手術はいつ頃から始まりましたか?
当科では1995年頃から大腸癌に対して内視鏡手術を開始しています。2000年には手術ロボットダヴィンチを使用した腹腔鏡下大腸癌摘出術を世界で初めて行いました。2014年にはおよそ9割以上の方が内視鏡外科(腹腔鏡)手術を受けています(図1)。

図1 最近の腹腔鏡手術比率
Q. 手術の適応についてお聞かせください。
基本的にすべての大腸癌手術が適応となります。手術歴のある方やご高齢の方でも行うことができます。最近では、大腸癌のために腸が閉塞している患者さんや、癌が進行して肝転移を来した場合でも内視鏡(腹腔鏡)で手術を行います。肛門にかなり近い直腸癌でも内視鏡外科手術を行い、肛門を温存することが多くなりました。
Q. 一般的な術後経過についてお聞かせください。
内視鏡外科手術は傷が小さく、痛みが少ないので術後翌日から歩行が可能です。手術翌日から飲水を開始し、問題がなければ、3日目から食事を開始いたします。退院は手術してから1週間程度で可能です。ご本人の体調により入院期間は長くなることもあります。
大腸癌の手術後は食事制限も特に必要なく退院後は元通りの生活が可能です。ご本人の希望や職種にもよりますが、退院後1-2週間で職場復帰も可能です。
また、当科では術後の再発を防ぐために、ある病期(stage IIIおよびstage IIの一部)の患者さんには術後補助化学療法も行っています。手術治療から再発を防ぐ治療さらには再発後の治療まで、多くの消化器外科専門医、内視鏡外科技術認定医、がん薬物療法専門医などが責任を持って治療を行います。
Q. 手術創はどのようになりますか?

一般的な内視鏡外科手術の場合、5つの小さな創で行います。最近ではさらに創を減らす工夫もしています。臍部の創は最終的に4cmほどに延長し、切除した大腸を取り出す創となります。いずれの創も抜糸のいらない方法で閉じます。5mm, 12mmの創は3か月もすると目立たなくなり、臍部の創も最終的にはおへそが縮んであまり目立たなくなります(図2)。
図2 臍の中心から切除した大腸を取り出すので、
傷は目立たず痛みも少なくなります 
Q. 内視鏡手術の手術創以外のメリットについてお聞かせください。
開腹に比べ視野がいいことがあげられます。現在のカメラは解像度が高く、詳細におなかの中を観察できますので、確実な手術が行え、出血量も開腹手術と比べると格段に少なくて済みます(図3)。また、腸管を直接手で触りませんので、術後に腸管の麻痺が起きにくいこともメリットです。このため癒着も少なく、腸閉塞のような手術後の障害も生じにくいとされています。
図3 ハイビジョンモニターを見ながら繊細な手術を行います
Q. 現在の取り組みについてお聞かせください。
大腸癌はときに、肝転移を伴うことがありますが、私たちは完全腹腔鏡下で同時切除(肝転移巣、大腸癌)を行っています。肝臓と大腸の同時切除においては日本随一の施設です。また、手術ロボットダヴィンチによる手術を臨床試験として開始致しました。これにより、さらに安全・確実・かつ侵襲が少ない手術を目指して日々診療に取り組んでいます。

内視鏡手術の適応に関するご相談・ご紹介は随時、受け付けています。
消化管外科(2)外来までお気軽にお問合せ下さい(TEL:092-642-5479 初診日・再診日:月・水・金)。
九州大学大学院医学研究院消化器・総合外科 http://www.kyudai2geka.com/

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