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消化器領域 食道(食道がん)消化管外科(2)外科分子治療学 講師 佐伯 浩司

消化器領域:食道がんの内視鏡手術について、
消化管外科(2) 佐伯 浩司講師が回答します。

Q. 食道がんの内視鏡手術はいつ頃から始まりましたか?
当科では術前治療や2期分割手術などにより、手術適応をひろげ、これまで1200例の食道切除を行ってきました。2010年からはこれらに内視鏡手術を導入し、現在では年間約20-30例を内視鏡下に切除しています。
Q. 手術の適応についてお聞かせください。
当初は早期の食道がんだけに適応を限っていましたが、現在では進行がんに対しても積極的に内視鏡手術を行っています。その際、術前化学療法で腫瘍を縮小したあとに内視鏡手術を行うこともあります。また、耳鼻咽喉・頭頚部外科と合同で咽頭・喉頭がんと食道がんの同時手術を行うこともあり、その場合でも内視鏡手術を積極的に行っています。
Q. 一般的な術後の経過をお聞かせください。
食道がんの術後は病院のクリニカルパスに従って管理しています。食道がんの患者さんは高齢者が多く、呼吸機能が低下していることが多いため、手術当日は安全のため集中治療室(ICU)に入室して人工呼吸器で呼吸管理を行います。通常術翌日には気管内チューブを抜管し、一般病棟に戻り歩行開始となります。1週間前後で食事を開始して、2週間前後で退院の運びとなります。食道がん手術は、頸部・胸部・腹部を一度に扱うため一般的な他の手術と比べて大きな手術となります。そのため、当科では外科医師・看護師だけではなく、他科の医師・理学療法士・栄養士など多職種にわたるメディカルスタッフと密に連携をとりながら、質の高い周術期管理を行うよう取り組んでいます。
Q. 手術創はどのようになりますか?

胸部操作では、5-10mm程度の5つの創で、食道の切除およびリンパ節郭清を行います。再建も腹腔鏡を用い、腹部に5つのトロッカーを挿入して行います。術後の痛みも少なく、胸部も腹部も時間が経てば全く傷が目立たなくなります。
完全鏡視下食道切除再建術の手術創(左:胸部、右:腹部)
Q. 内視鏡手術の手術創以外のメリットについてお聞かせください。
内視鏡手術のメリットのひとつに拡大視効果があります。細かい解剖まで観察することができるため、神経や血管の温存などより精度の高い手術が可能です。その結果、根治性の向上が期待でき、出血量の減少、呼吸機能などの機能温存が可能となり、ひいては在院期間の短縮と早期社会復帰が可能となります。
Q. 現在の取り組みについてお聞かせください。
全身状態が不良な患者さんに対しては、2期分割で内視鏡手術を行うことで、より安全に内視鏡手術の適応を拡大するようにしています。また、最近では両方の肺を換気した状態での手術や、先端医工学診療部との連携により、新しい手術器具や3D画像による手術にも取り組み、世界でも最先端の内視鏡手術を実践しています。
腹臥位による食道切除術

内視鏡手術の適応に関するご相談・ご紹介は随時、受け付けています。
消化管外科(2)外来までお気軽にお問合せ下さい(TEL:092-642-5479 初診日・再診日:月・水・金)。
九州大学大学院医学研究院消化器・総合外科 http://www.kyudai2geka.com/

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